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アルプス銀座表裏4 [北アルプス]

☆裏銀座ー西鎌尾根下って三俣山荘へ


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山荘は濃い霧に包まれていた。

昨夜密かに「晴れたら朝飯前に槍の穂先に」と願っいたが、期待は虚しく霧の彼方に沈んでしまった。

周りが少し騒々しくなって再び目を覚まし、「食事の用意ができました」アナウンスで布団から抜け出した。

外の景色は相変わらずで、霧が深く今にも降り出しそうだった。

今日もカッパ着用でのスタートとなりそうだ。



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昨日同様雨合羽に身を包み、道標に従って西鎌尾根を下る。

しばらく下ると空は明るく、この分では雨にはならない気配が感じられた。

千丈乗沢越でカッパのズボンを脱ぎ、その先のお花畑で「降らない」と決めつけて上着も脱いで身軽になった。そうするうちにさらに明るさが増し、時には雲間から青空が覗いて北鎌独標が見えてきた。

ヨシヨシ!この分だともうすぐ槍の穂先も顔を出すだろう。

今のところ足取りも軽い。





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槍ヶ岳山荘から硫黄乗越まで3時間強、少し疲れが出てきた……硫黄尾根の異様を楽しみながら休憩。

樅沢岳を、見えてきた槍ヶ岳に背中を押されてエッチラオッチラ登る。細長い頂上を過ぎれば双六小屋への200m程の下りだ。せっかく登ったのにと、ブツブツ言いながら着いた双六小屋でカレーライスを食べ、これから先の道を見上げて気持ちが萎える……双六岳まで結構な登りじゃないか。

計画は双六岳~三俣岳と稜線を行くつもりだったが……今、気持ちは巻道に傾いている……分岐点まで登って「今回は巻道」で意見が一致……が、三俣山荘に落ち着いてみると、やっぱり稜線を行けば良かったと少し後悔。

双六岳から見た槍ケ岳の写真が無いのが残念。




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三俣山荘の夕食は鹿肉のシチュー


その食卓で……

テーブルに今日のメンバー6人がついて「いただきます」とともに食事が始まった。

単独のお兄さん・単独のお爺さん・30代の夫婦・爺さん夫婦の6人。

話のきっかけは大体「今日はどこから?明日は何方へ」から始まる。

30代夫:「どちらから?」

私   :「表銀座から」

30代夫:「同じコースだ」

私   :「大天井と槍に泊まって3日目です。表から裏で高瀬ダムに下山します。」

30代夫:「私たちは西岳泊まりで2日目です。水晶まで行って引き返してワリモ分岐から雲の平経由で太郎まで行けたらと思ってます。」

私   :「えっ、2日でここまで?水晶行って引き返すって何?それで太郎までいくの?」

そのやりとりを聞いていた単独兄さん……

単独兄 :「あんたらアルプス交通法違反だぁ。そっちの爺さん夫婦は違反切符だけだけど、こっちの若夫婦は逮捕だぁ〜。ねぇ、こっちの単独爺さん、そうでしょう。」

単独爺 :「………………」ニコニコ微笑んでいる。

単独兄 :「大体、歳なのに一気に表裏はないいでしょう。歳を考えなくっちゃ。まぁ、それはいいよ、だけど切符は切るよ。問題はそっちの若いの、中房温泉から2日でここまで来たの?そりゃ速度違反だよ。爺さん夫婦は免停で済むけど、そっちは逮捕だよ。明日水晶行ってから引き返して太郎まで?ダメだよ、途中で倒れても助けに行かないからね。捜査の人に『私は止めたんだよ』とは話すけどね。」

ここから単独兄さんの独壇場。話の引き出し方は上手いし、話も面白いし、テーブルは笑いの渦に。

食事も終わりに近づいて……

私   :「ところで、お兄さんは何処から?」

単独兄:「えっ、聞くの?聞く?聞くから言うけど笑うんじゃないよ。じゃあ言うけど、スゴロクから」

全員 :「えぇ〜〜〜〜〜〜ッ!」

彼のおかげで夕食のテーブルは大盛り上がりでした。

このお兄さん兵庫県三田市からの登山者で、彼の名誉の為に言っておきますが、かなり山に詳しいベテランさんでした。三田のお兄さんに感謝。


夕食後バーカウンターで、前半の無事に感謝と後半の健闘を誓い乾杯……ウィ〜ワインがしみるぅ〜〜〜!






              2017年 8月〜9月 表銀座・裏銀座









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コメント 22

よしころん

双六~三俣蓮華への3つのルート歩いたものの感想として~
晴れていれば間違いなく稜線ルート!
楽なのは中道ルート。
一番下の巻道ルートは結構アップダウンあり巻いてないぞ!
という感想。
双六大地からの槍は裏銀座歩いたなかで一番好きな景色です♪
また撮りに行かれてくださいませーヽ(^o^)丿
単独の三田のお兄さん最高!(笑)
by よしころん (2017-09-18 08:50) 

Jetstream

三俣山荘での楽しい語らいは山小屋ならでは。裏を歩かれる方は皆さん健脚ぞろいですね。日数もかかりますし・・・麓から水晶小屋まで如何に楽に早く着けるルートを検討しましたが、どこからも長くキツいです。
by Jetstream (2017-09-18 13:20) 

山子路爺

to よしころん さん
早く言って欲しかったなぁ〜
下の道が一番楽かと思い、これを選択してしまいました。カールの底まで降る感じで、三俣峠への登り返しでバテました。
三田からの人、サイコーのキャラでした。また何処かで会いたいです。

by 山子路爺 (2017-09-18 13:26) 

山子路爺

to Jetstream さん
ブナ立を登ったのですね。
私はようでけまへん。
ダムから取り付きまでの砂地歩きでバテそうです。
Jetさんすごい!

by 山子路爺 (2017-09-18 13:29) 

hatumi30331

お天気の読みも的中!
身軽になると動きやすいね。^^
山荘の夕ご飯は豪華やね〜♪^^

台風一過で・・・・暑いね!
by hatumi30331 (2017-09-18 13:38) 

よしころん

ごめんなさい~m(__)m
実は私たちも一番はじめに歩いたとき、お天気もぱっとしなかったので巻道ルートを選択。『えー(><)巻いてないしー』そう思いながら歩いたのです。
あの「巻道」って名前、いかんですよねー(笑)
by よしころん (2017-09-18 15:08) 

夏炉冬扇

幽玄な写真ですね。★★★
by 夏炉冬扇 (2017-09-18 18:01) 

はなだ雲

深い霧に包まれた山々にうっとり♪
by はなだ雲 (2017-09-18 20:51) 

OJJ

山子路爺さんへ
三田(さんだ)の単独兄さんの名誉のため書き添えます。三田は神戸市の山側に隣接している(当然人口よりサル、イノシシが多い)ので全て控えめです。
若干しゃれっ気が多いのはシャレ神戸の影響で・・・ウソです!
by OJJ (2017-09-18 22:11) 

テリー

皆さん、すごいですね。
ちょっと、体力、気力がなくなりました。
by テリー (2017-09-18 22:19) 

山子路爺

to hatumi30331 さん
最近の雨具は性能が良くてムレが少ないと云うものの、やっぱり着用してない方が気分がいいです。
三俣山荘の鹿肉シチューは、鹿の食害を少しでも少なくしようと考えられたもので、地元産です。害獣としてただ殺すのではなく、食用として必要量だけ獲って流通させられればいいのですがね。

to よしころん さん
あの巻道で苦労したのは私たちだけでないという事が分かって一安心です。地図で見るほど楽じゃありませんよね。よしころんさんの解説で理解しましたので、今度は稜線を行ってバッチリ槍の写真を撮りたいと思います。サンキューでした。

to 夏炉冬扇 さん
雲の演出に感謝です。
ピーカンよりも雲があったほうが山も空も引き立ちます。まあ、程度問題ですがね。

to はなだ雲 さん
ありがとう御座いますございます。
霧で未透視が悪くてもとりあえずシャッターは切っておくもんですね。ひょっとして予期せぬ面白いものが写っているかもですから。

to O J J さん
三田のお兄さんの名誉の為にお返事しますが、なかなかの洒落男でしたよ。私の大阪人の友人はこちらに喋らせないで一人まくしたてます。それに比べてこのお兄さんは聞き上手でもありました。あっ、大阪と兵庫の違いかもしれませんね。

to テリー さん
この夫婦はトレランをしている訳ではなく純然たる登山者でした。装備や足ごしらえもしっかりしていて、単に体力がすごいという事でした。
私にはとっても真似できません。

by 山子路爺 (2017-09-19 00:55) 

caveruna

山の会話、楽しそうです!
すごく伝わります(笑)
by caveruna (2017-09-19 09:50) 

asa

表銀座から裏銀座へ2日間でというのはすごいですね
私ならやはり双六~三俣を1日で、というのが魅力的です
双六岳を双六小屋から見上げるとちょっとうんざりですが、登ってみるとそうでもなかった記憶があります
西鎌は登りも下りもやりましたが、どちらも雨だったのを思い出しました
そんなこともありましたが、やっぱりこのコースはいいですね。やはり言ってみるかな。でももう来年以降ですね。そろそろ雪の心配があるので。

by asa (2017-09-19 14:56) 

山子路爺

to caveruna さん
本当に楽しいディナータイムでした。
テーブルも横並びではなく大きな正方形で、全員の顔を見ながらおしゃべりできるのも良かったです。

to asa さん
この夫婦は、早月尾根日帰りとか黒戸尾根日帰りとか、とにかく驚異的でした。双六~三俣を1日行程……こういう余裕の山旅をしたいですね。
私もアルプスは来年までお預けです、小屋締めの日がせまっていますしね。

by 山子路爺 (2017-09-19 17:18) 

はるか

私はずっといつか新穂高から双六までを歩きたいと思っています。

しかし、三田のお兄さんの「アルプス交通法」山子路さんたちが速度超過で切符きられるならば、私はのろのろ速度なさすぎ違反で切符となるかもなあなどと思ったり・・・

そんな楽しい話を山小屋で加わりたいものです。

ところで、来週ですよ。
by はるか (2017-09-19 18:20) 

山子路爺

to はるか さん
イヤイヤ、三田のお兄さんは約3時間のところを1日がかりでしたので遅い分には切符は切らないとおもいますよ。
新穂高から双六、いいですね。さてその先はどうしましょうかね。槍に行こうか五郎に行こうか……。
昨年の今日は東京ドームの初日でした。あれから1年早いものですね。今から体調を整えてSSA2日間燃え尽きたいデスッ!


by 山子路爺 (2017-09-19 21:36) 

U3

この夏にNHKで放映した山岳カメラマンがドローンで撮影した北アルプスの番組がありましたが、その中で滝谷の光景は圧巻だったのを思い出しました。
by U3 (2017-09-20 12:53) 

nousagi

この方面行ったことないので
よくわかりませんが、
それにしても楽しい夕食だったようですね。
話に加われるように、
早くこの方面にも行きたいなぁ~
by nousagi (2017-09-20 16:42) 

werewolf

楽しそうな食事♪
それに霧の写真も素敵です。
雨さえ降らなければ霧も悪くないかも、
なんて見てるだけの私は思うのです(笑)
by werewolf (2017-09-20 23:08) 

山子路爺

to U3 さん
私も観ましたその番組、面白かったなぁ。気が向いたらまた観ようとビデオに残してあります。「鳥も通わぬ」滝谷……大キレットや北穂高小屋から覗き込んでも圧巻です。時を30年程戻す事が出来るなら滝谷ドームなどに挑戦してみたいと思う次第です。

to nousagi さん
良いところですよぉ〜
山も展望もお花畑も小屋も……とても見どころ一杯です。
山好きとしては是非にも行かなければならないところでしょう。是非是非!

to werewolf さん
世の中には凄い人がいるもんですね。
勿論人並み外れたスタミナのご夫婦さんもそうですが、場を盛り上げる話し上手の関西人も凄いです。また何処かで会いたいものですね。



by 山子路爺 (2017-09-21 00:35) 

bpd1teikichi_satoh

鹿肉のシチュー美味しそうですね!

爺は昔々医科大学で色々な肉の缶詰を食べた事が有りますが、
鹿肉は美味しかった記憶が有ります。鯨のホーデンとザザムシは頂けなったですが・・・
by bpd1teikichi_satoh (2017-09-23 16:58) 

山子路爺

to bpd1teikichi_stash さん
麓で獲った鹿をさばいて、ワイン等で下ごしらえをして食卓に出しています。柔らかくて美味しかったですよ。
以前、知人から貰った鯨の缶詰はとても美味しかったのですが、何処のものか未だにわかりません。時々スーパーで探すのですが……。

by 山子路爺 (2017-09-24 09:54) 

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